ヴァイオリンを習っている生徒さん達へ

コロナの収束がまったく見えない日が続いています。

今回、4月のはじめに予定していた発表会を都知事の緊急事態宣言で中止しました。
早い方は12月、遅くても1月から練習をはじめ、暗譜をし、今年はコンチェルトを弾く生徒さんが多かったため、1回の伴奏合わせを2回にし、と十分に準備をしてきたので、中止の連絡を聞いて さぞがっかりしているだろうと本当に残念に思っています。

13回目の発表会となるはずでしたが、私もヴァイオリンを習って音楽大学を卒業するまで毎年のように発表会で演奏してきました。中止というのは私にとっても初めての経験です。
感染の原因がわからない、先の見えないコロナウイルスは長いマラソンのような戦いになるのかもしれません。

音楽の話になりますが、ヴァイオリンの曲はピアノ曲と違い数が少ないので一生かけて演奏する事は可能と言われています。確かに同じ曲を小さい頃から何回も演奏するチャンスがあり、でもそれは同じ事の繰り返しではなく、その時の年齢によって感じること、演奏できる事、表現の仕方は全く違い、同じ本を何度も読むことに似ています。今回、発表することはできませんでしたが、いつかまた弾く機会があった時に、今とは違う もっと素敵な曲になっているように そんな思いを持ってまた新しい曲にチャレンジしていってください。

人生は続いていくので、それぞれの道を迷うことなく進んでいかなければならないし、何もしないで時を過ごすことなく、今回のこの時期は色々なことを見直すチャンスでもあります。
勉強も同じですが、積み重ねていく経験は何にも変え難く、ヴァイオリンは階段を飛ばして上がっていく事ができません。
今でなくてもいつでもできる、は人生にはない。まさに「今でしょ!」です。

これからの時代を生きていく若い方は、私やご両親が経験したことのない時代を生きていかなければならないかもしれません。
与えられる事を受け止めているだけでなく、何をしたらいいのか?何ができるのか?自分でやるべきこと、そして本当にやりたいことを見つけ追求していって欲しい。
そして私を含む、いい大人たちはスタンプのように繰り返していた生活を見直すチャンスと捉え、限りある時間を有意義に過ごしましょう。
人生を終える時、あぁ 楽しかったと言えるように。

桜は変わらずに見事に花を咲かせています。

自宅うらの公園の桜。

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